1988年の京都国体で自転車ロードレース競技会場として招致して以来40年近くの永きにわたり、自転車競技のコースとして見守ってきた地元、美山町。これまで国体だけではなく、国際ロードレースやインカレなどの大きな大会も開催された実績を持ち、このコースから多くの優れたスポーツ選手を輩出してきました。実際、美山ロードは、同会場、しかも公道を使用する大会としては、日本国内最長の歴史を誇ります。

実は、私は、自転車競技を初めて間もない2001年の美山ロード出場がきっかけでこの町の魅力に惚れ込み、移住を決意し、2009年に完全移住しました。その後、いち住民としての立場から、また、ひとりの自転車愛好家のとして、美山ロードという大イベントと関わるうち、この大会がもつ様々な可能性を感じるようになっていきました。

多くの人が関わるこの大会から生まれた「縁」を活かした地域振興のアイデアとその実践、そして成果。
子どもたちへの取り組みから始まり、次世代に様々な可能性を供給する競技大会という「場」の広がり。
さらには大会運営を通じて育成されていく「人材」の成長。
「縁」を生み出す「場」があれば、必ずそこで「人」が育つ。
美山ロードは、これまでも地域の振興につながる多様な価値を美山町に生み出しており、町の未来への可能性も提供できる機会だと捉えています。この大会が続けられてきた長い歴史は、かけがえのない財産としてこの町に根付いていると確信しています。改めて「美山ロード」という先人が作り上げた自転車競技大会は、いまや単なる競技大会ではなく「美山町の可能性の源」として位置づけても良いかもしれません。
そして、わたしたちの町「美山町」で今起こっている、歴史的且つ大きな成果を伴う住民の意識の変革というダイナミズムは、わたしたちの町と同じような地方の僻地の町にも、多様な可能性をもたらすと信じています。
だからこそ、この素晴らしい住民主体の大会を、次の世代にしっかりとバトンタッチする責任が、我々の世代にはあるのではないかと、日々その思いを強くする次第です。

自転車は、健康にも環境にも良いとされ、社会の中における未来指向のモビリティとして、北欧を始めとして世界的にも市民生活への浸透普及が図られており、我が国でも国交省を中心に、サイクリング振興が進められています。そう考えると、美山ロードは、サイクルツーリズム、スポーツツーリズム時代の先駆けとして始まりました。それを町の取り組みとして継続し続けてきたわが美山町は、まさに時代の先駆的存在と言えるでしょう。

この町の誇りを次世代につなぐことこそが、町の振興、ひいては社会全体の振興に寄与することになる。
そう信じて多くの方と手を携えながら、大会の成功に向け邁進していきたいと思います。
地元住民、サイクリストや応援する皆さんたちと一緒に、「美山ロード」を日本一の市民レースにしたい。
そんな強い思いを持って、スタッフ関係者一同、取り組みたいと考えています。
なにとぞご理解とご協力をよろしくお願いします。

美山サイクルロードフェスティバル総合代表
京都美山サイクルロード実行委員会
会長 ブラッキー中島隆章

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